新しい絵の会の機関誌
「美術の教室」 |
B5版 100ページ
カラー2ページ、図版多数
年2回 4月、11月発行
購読料 2,000円(年2冊)
郵送料 480円(2冊)
絵の会の総力をあげて編集している美術の教室。本誌があれば、美術教育の今日的課題や実践が読者の手元にとどけられます。
美術の教室71 2001年11月新しい絵の会編集
●71号の特集 |
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◎21世紀の美術教育を創る | ||
とぴらのことば | ……………………………………小菅盛平(編集部) | ……5 |
■私の21世紀の美術教育論 | ||
*青年期の美術教育の今日的課題 | ………………………………北山誠(和光高等学校) | ……6 |
*人間が人問らしく成長する創造・表現活動を | ………………………櫻井秀和(町田市公立小学校) | ……11 |
*21世紀の美術教育をイメージする | ………………………西嶋弘子(金沢大学教育学部) | ……19 |
*戦争の世紀から平和の世紀へ | ……………………服部宏(八尾市立曙川東小学校) | ……23 |
*20世紀からの1つの賜りもの | …………………………………君島主一(福島・画家) | ……27 |
*第42回大会から学んだことなど | ………………………………岡島健太郎(東京・画家) | ……31 |
■実践報告 | ||
*造形遊ぴの現場では | ……………鈴木秀尚(練馬区立光が丘第五小学校) | ……36 |
*創作現場に立ち会って | …………………………平林英典(佐久中央小学校) | ……40 |
*総合学習「森・川・海と人をつなぐ環境教育」から生まれた版画表現 | ………………徳水博志(宮城県雄町立船越小学校) | ……46 |
*子どもと多摩川の自然の関わり | ………………………村田朋子(川崎市玉川保育園) | ……53 |
*美術の能カって多彩、ひとつでも見つかればもうけもの | ……………………鈴木克洋(清水市立第五中学校) | ……58 |
■高橋雄幸・その仕事展・迫悼文画集「いつも子どもの絵と」から | ||
……………… 今給黎博子、矢島慎吾、行田稔彦、他 | ……65 | |
■2002年から使用の図工・美術教科書を見る | ||
*小学校図工教科書を見て | …………………奥田靖ニ(八王子市立城山小学校) | ……74 |
*中学校美術科書(例えぱ自画像について) | ………………………向井進(新座市立新座中学校) | ……78 |
■実技入門 | ||
*ドライポイント―草木の実践― | ………………………薮内好(船橋市立芝山中学校) | ……83 |
■私の漫画作法 | ||
*―時事漫画を描く― | ………………………………………倉田新(漫画家) | ……87 |
■第42回全国研究集会を終えて | ||
*基調提案を聞いて | …………………………新津栄(足立区開原小学校) | ……91 |
*希望が輝いた大会 | ……………………小島八重子(第42回実行委員長) | ……95 |
*絵の会通信 | ||
・事務局/編集後記 | ………………………………………………………… | …96 |
○表紙の絵 和光鶴川小学校 小学校2年
21世紀の美術教育を創る 編集委員 小菅盛平
「20世紀は戦争の世紀・21世紀は共生と平和の世紀に」と誰もが願っていましたが、テロと報復戦争で21世紀が始まってしまった。なんと愚かなことであろうか。今人類に求められていることは理性と共生の知恵ではないか。子どもたちが安心して暮らし、成長できる地球を取り戻し真の「子どもの世紀」と願わずにはいられない。
20世紀の教育の遺産を、どう総括し受けついでいくか。そして21世紀を「子どもの世紀」として転換し、とらえ直すなら、美術教育はどう構築されなければならないか。それぞれの願いと夢と希望と構想を語り合ってみたい。本号のテーマである。 表現をとおして人間を育てる 人間関係がうすくなり、人との関係が作れなくなっている。「ひとりがイイ」「個の方がいい」という子がふえている。子どもだけではなく、大人や教師の中にも増えている傾向だときく。 美術教育は、表現をとおして人間を育てていく。人間関係を作っていく。表現はもともと自分のためだけではない。誰かに受けとめられることを前提にした人間の営みである。表現を受け止め、共感がうまれるなら、真の人間の連帯に向かう。20世紀に切り拓いてきた明確な美術教育の果たす役割である。 |
子どもの今の表現の中から構築していく
子どもを登場させたい。様々な子どもを受けとめて語りたい。今の子どもの表現の中からこれからの子どもの表現の可能性を探っていきたい。そして一人ひとりの表現を育てたい。個の表現が徹底して尊重され、育てられるシステムや集団、人間観を持ちたいと思う。「豊かで多様な子どもの表現」が開花するような美術教育が求められている。 授業と教師の役割を検討していく 子どもと教師の関係もとらえ直しが求められる。子どもが主役になりながら教師や学校の役割もますます明確に、重要になると思われる。子どもとの信頼と共感の関係を抜きにしては学校での美術救育は成り立たない。プログラムと力量を持たない救師もあり得ない。 許せない造形遊ぴ 「造形あそび」は徹底して批判していく。あんなことが行われている、こんなことがやられている等、現場の実態をリアルに報告しながら、いかに「美しさ」や「創造力」、美術教育とかけ離れているものであるかを明きらかにしていきたい。 |