新しい絵の会の機関誌
「美術の教室」


72号表紙


B5版 100ページ

カラー2ページ、図版多数

年2回 4月、11月発行

購読料 2,000円(年2冊)

郵送料 480円(2冊)

絵の会の総力をあげて編集している美術の教室。本誌があれば、美術教育の今日的課題や実践が読者の手元にとどけられます。




美術の教室72 2002年5月新しい絵の会編集

目次

とびらのことば




美術の教室72目次

           

●72号の特集
◎「生きるカ」と美術・図工教育
とぴらのことば ……………………………………………編集委員会 ……5
■「生きるカ」を育む美術・図工教育
*絵に生命を、吹き込んで …………………高山眞紀子(舶橋市立海神小学校) ……6
*「にわとりの家族」と子どもたち …………………吉瀬ちまき(秩父市立第一小学校) ……12
*Hくんが絵を描いたよ!! …………渡辺百合子(長野県小川村立小川小学校) ……19
*「ビリの徒競走』をかいた山ちゃん ………………山室光生(奈良教育大学付属小学校) ……25
*宮沢賢治童話「十カの金剛石」の実践 −賢治童話の表現を生きる力に− ……………………似内顕也(花巻市立花巻小学校) ……32
*等身大の彼ら・彼女らによりそいながら ……………………………向井進(埼玉・新座中学校) ……36
*俺の言いたいこと −今を生きる高校生の訴え− …………………杉本雅士(法政大学第二高等学校) ……42
■座談会 夢いっぱいの明日へ(幼児教育の現場から)
………………………………………………宮林佳子 ……48
■実技入門
*木版画入門 ………………………………谷内博司(岩手絵の会) ……60
*「てんらん会」こんな方法・あんな方法 ……………………高木堆芳(杉並区立方南小学校) ……66
■私の漫画作法 −時事漫画を描く−下
……………………………………… 倉田新(漫画家) ……70
■教育の現場で
*どの中学校でも無理なくできる「時間割」づくりから ……………………神吉脩(加古川市立山手中学校) ……74
*「造形遊ぴ」と図工美術救育 ………………………………薮内好(新しい絵の会) ……80
*大人を動かし行政に影響を与えた総合学習 ………………徳水博志(宮城・雄勝町立船越小学校) ……84
*全国教育研究集会/高知大会に参加して ………………………薮内好(船橋市立芝山中学校) ……88
■サークル紹介「北海道編」
………………………佐藤喬(北海道新しい絵の会) ……90
■絵の会通信
*箕田源二郎の遺作展開催にあたって ………………………………………………箕田美子 ……94
*新しい絵の会 冬期合宿研究会で学んだこと …………………………北村聡美(長野・裾花幼稚園) ……96
*一生けんめい描いている絵は美しい ……………………………………中谷隆夫(陶芸家) ……99
今年の夏は「ぴわこ」大会でお会いしましょう! …………………服部宏(「ぴわこ」大会実行委員長) …102
事務局通信、編集後記 ………………………………………………………… …104

○表紙の絵 「大きなサメ」 海神小学校2年



とびらのことば

「生きる力」と美術・図工教育  編集委員会

 新しい教育課程が、スタートしました。その目玉は「生きる力」の育成にあると言います。「生きる力」が失われた原因を過度な詰め込み教育や、結果だけを求める学習・評価であったという点をあげ、この改訂では、国際的な視野がほしいとか、表現力や個性的な能力を伸ぱしたいとかを強調しています。それを「生きる力」と名付け、今ある教科の他に総合学習という新たな教科を加えようと言うのです。学校が、5日制になり授業時間数が、減る中で、新たな教科の増設ですから、今までの必修教科の時間数や学習内容を削っての実施ということになります。学力の定着を心配する声が出てくるのは当然でしよう。この流れの中で芸術教科や美術の授業も同様に削減されていくのです。従来から授業時数は少なかったのですが、さらに削ると、中学では週に1時間位になってしまいます。必修の授業が減れば、学校に専門の先生も少なくなります。総合学習の内容に、芸術的なものを取り入れようとしても、充分な取り組みが、出来るのか心配です。  そもそも「生きる力」とは何を指しているのか。文科省の意図は分かりませんが、少なくとも自分の思いを表現し、相手の心を読みとり、理解し合っていくことは大切な視点として位置づいているでしょう。芸術や美術は、そのような力を育んできたし、目的にもなっている教科です。色と形、音…言葉が分からなくても、生活習慣を知らなくても、理解の糸口を見つけてきた人間の歴史をどう見ているのでしようか。人と人のつながりが、薄くなって、理解し合えない人間関係の中で起こる悲劇を日常的に見る昨今、芸術教育の益々の重要性を感じるのです。自分の気持ちを相手に伝え、相手の気持ちを自分のものとする。そのような心の交流を「生きる力」と言うのなら、美術図工教育でも、思いのこもらない、投げやりな造形やお手本写しの方法論は今一度検討しなくてはならないでしょう。今回の特集を「「生きる力」と美術・図工教育』としたのは、私たちの実践も又、常に時代とともに、「新しく」ありたいと願うからです。

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