新しい絵の会の機関誌
「美術の教室」


74号表紙


B5版 100ページ

カラー2ページ、図版多数

年2回 5月、11月発行

購読料 2,000円(年2冊)

郵送料 480円(2冊)

絵の会の総力をあげて編集している美術の教室。本誌があれば、美術教育の今日的課題や実践が読者の手元にとどけられます。




美術の教室74 2003年5月新しい絵の会編集

目次

とびらのことば



美術の教室74
目次

        

74号の特集
◎いま、美術教育の大切さを
とぴらのことば ………………………………編集委員会 ……5
■特集企画…いま、美術教育の大切さを
*人間の成長にどうしても必要な美術教育 …………………三嶋真人(編集委員)) ……6
・思春期の美術教育 ……杉本雅士(法政大学第二高等学校) ……13
・障害を持つ子どもたちに美術教育はなぜ大切か …………………矢島慎吾(佐久絵の会) ……20
*表現することで、生きている自分を感じる子どもたち ……………渡辺智恵子(舶橋でくの会) ……25
・自分と出会い他者とつながる ……………………西嶋弘子(金沢大学) ……29
*多世代社会と芸術教育 ……………多田千尋(芸術教育研究所) ……33
・私のフリータイム ……………小島八重子(神奈川絵の会) ……37
■実技入門
*道具・技術・素材について ……………………三嶋真人(編集委員) ……41
・基礎基本を大切に育てよう   ………………松浦龍子(やなせ幼稚園)) ……46
・線と色で遊ぽう ……大平陽子(越谷市立千間台小学校)) ……52
・「張り子のお面を作ろう!」 ………………官林佳子(さくらぎ保育園) ……54
・身の回りの小さな自然探し  ………………今関信子(あやせ絵の会) ……59
・表現遊ぴをしながら ………………今関信子(あやせ絵の会) ……61
・ペットに乗って 鈴木秀尚(練馬区立光が丘第五小学校) ……63
・ちょこっと紙工作 ……照田律子(金沢市立木曳野小学校) ……66
・紙の素材感を手で味う ………………日端和子(あやせ絵の会) ……70
・色彩をデッサンする   …………薮内好(舶橋市立芝山中学校) ……74
*鑑賞
・「ゲルニカ」隠された構成と寓意を探る …………………江渡英之(和光中学校) ……77
・美術室は学校のオアシス?    ………鈴木克洋(清水市立第五中学校) ……82
■「学校攻革」は学校のあり方の改革を通して ………………島津秀明(公立中学校)) ……86
■絵しごと50年・君島主一展 …………………菅野偉男(福島絵の会) ……90
■サークル紹介「サークルっていいな!」 …………………笠原和子(長水絵の会) ……94
■書評「子どもたちに美術のうたを」 …………小菅盛平(和光鶴川小学校)) ……98
第44回新しい絵の会全国大会へ ………………………………………… …100
■「Web子ども美術館」設立ヘスタッフ大募集〃 ………………………………………… …102
事務局通信、あとがき

表紙の絵   ○「やまなし」小学校6年佐久絵の会
裏表紙の絵  ○やなせ保育園
         ○カット三嶋真人・鈴木道子
              善行中学校美術部



とびらのことば

このような世界だからこそ、人間らしい学びを  編集委員会

 新しい指導要領が実施されて、1年が過ぎました。子ども達の生活にゆとリが生まれたのでしょうか。土曜日の休日分を他の曜日に上乗せするため、毎日の生活は以前より忙しくなったという見方もあるようです。自由な時間が増えることで、自分の好きなことに十分時間を取ることができる。自分の趣味や好み、他人との違いに気づきながら、選択の幅を広げていく。文化的な生活というのはそのような「ゆとリがあるかどうかです。「やりたい事がたくさんあるのに時間がない。」「時間はあってもやる事がない。」いずれも文化的とは言えません。
ひたすらレールの上を走って、他人との競争だけで過ごしていけば、自分をじっくりと見つめる事はできません。「ゆとリ」を言いながら、本当の「ゆとリ」を理解していないように思います。「暇になる」ということをあまリ肯定的にとらえていないからなのでしょうか。子どもたちを勉強や部活動で縛リ付けておかないと、ろくなことを考えないという心配があるのでしようか。せっかくの休みも、地元で開かれるイべントやカルチャー教室、部活動や塾もあって、ゆっくり休みたいよ、という声が聞こえたりもします。
経済効率中心の社会や競争原理、勝ち負け主義の見直しが始まっているのは人間らしさ回復の要求なのでしょう。忙しさで命まで奪われる世の中です。「心豊か」「優しさ」「安らぎ・平和」などという「文化」は「ゆとリ」があってこその話です。「ゆとリ」を求めて「ゆとり」の無い生活をしているという私たちも振り返ってみる必要があるのかもしれません。
美術、芸術という行為に、十分な時間をとろことができる。このことが文化や「ゆとリ」のバロメーターなのでしよう。忙しくて、美術など敷居が高いと思っている人へ、情報を得る時間が無いと言っている人へ、もう一度ゆっくリ味わってみたい人へ…
“忙"という字は「心を忘れる」と書きます。イラクの戦争もまた、しかりだと思いますが。


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