新しい絵の会の機関誌
「美術の教室」


80号表紙


B5版 100ページ

カラー2ページ、図版多数、付録CD-ROMつき

年2回 5月、11月発行

購読料 2,000円(年2冊)

郵送料 320円(2冊)

絵の会の総力をあげて編集している美術の教室。本誌があれば、美術教育の今日的課題や実践が読者の手元にとどけられます。




美術の教室80 2006年5月 新しい絵の会編集

目次

とびらのことば




美術の教室80
目次

        

80号の特集

◎特集「色による表現」

とぴらのことば ……杉本雅士(編集委員長) ……5
■特集
*巻頭論文1「色による表現」
こどもが色で表すとはどういうことか
……………三嶋真人(新しい絵の会・事務局長) ……6
*巻頭論文2「色彩の学び・教え・育ち」 ……………藪内 好(研究部・船橋市立芝山中学校) ……14
■色による表現・実践報告

*どんな色がすき  
身近にある美しいものを美しく描いてみよう

…松浦龍子(座間やなせ幼稚園) ……20
*子どもの絵に色彩の豊かさを感じて ………………………落合利行 ……26
*もっと色で外の世界を見直して
もっと色でイメージの世界を広げよう
…………服部 宏(大阪・八尾市曙川東小学校) ……32
*こだわりを持って描く子に
−その時、色にも、形にもこだわりが−
……今関信子(あやせ絵の会) ……38

*水彩画の苦手意識を解消する試み
−間違った指導が水彩嫌いにしている?

米山政弘(長野・長水絵の会) ……45
■色による表現・私の絵の具指導
*色彩表現を考える−子どもの絵から学んで− ……………… 峯川幸子(船橋美術サークルでくの会) ……51
子どもの絵と色彩から学ぶ・ ……今給黎博子(川崎絵の会) ……57

*小学三年生と図工の楽しさや色彩の美しさを共有した

    似内顕也(岩手絵の会) ……61
■地域に根ざす芸術(美術)活動   
−アート・プロジェクト−の取り組み(2) ……神吉脩(兵庫・加古川市立山手中学校) ……65
■特別企画

戦時下の画学生
 −女子が経験した開戦から終戦まで−(上)

…小島八重子(神奈川絵の会) ……71
■実践報告
*生活を絵で綴る子どもたちに育てる指導について
…………土屋佳子(千葉・柏市柏第六小学校) ……75
*思いを描く・三歳児の姿をとおして …………佐久間恵子(福島市エンゼル保育園) ……81
*「気づき」の力を育てるために 菅松一美(神奈川・綾瀬市立綾瀬小学校) ……86
■追悼文生活に根ざす実践を貫いた反骨の教師
−三原 昭先生を悼む−
………似内顕也(岩手絵の会) ……91
■読者のページ ……………………編集委員会 ……92
■全国研究集会案内 ………………………………… ……94
■付録CD ………………………………… ……96
事務局通信、あとがき

表紙の絵   ○「おふろに入って ………… 小学1年
裏表紙の絵  ○「色彩のコンポジション」 ………… 中学1年
 ○「織物の模様」 ……………小学1年
カット     杉本雅士・法政二高美術部


とびらのことば

十人十色

杉本雅士(美術の教室.編集委員会)

 図「色って何?」「色の表現をどう見たらいいの?」「色の指導は?」「道具は?」などなどは、本文を読んで頂くこととして、ここでは私の個人的な経験を…
 小1の時、太陽を黄色のクレヨンでゴシゴシ描いていたら「お日様は赤で塗るんだよ」って先生に言われた。「だって昼間の太陽は黄色だもん…」って周りを見たら、みんな赤く塗っていて驚いた。
 3年生の時に、「家のある風景」を描いていて、窓の中を暗く塗っていたら「窓は水色でしょっ!」って…。
 4年生の時には、「校内の風景を描こう」って言われて、中庭にあるひょうたん池を描いた。夢中で、水面に映っている草まで描いて「これは上出来だ!]と勢い込んで先生に見せたら「水がきたないな〜水色で塗れば良かったのに!」確かにきれいな絵じゃないけど、実際の池の水は緑に濁ってたじゃないか!すごく悔しかった!!
 5年生になって、白分でも絵を描かれる先生が担任になって、やっと自分が認められた感じで、嬉しくてますます図工に力が入った。そんな暮れに、教室の窓から見た裏山の風景を描いた。作品展に出品するということで、放課後何日か一人で残って、これまでにない時問をかけて完成させた。
 小さな物置小屋と、葉を少し残した柿の木が中心で、柿の木の枝の隙問から山裾の木々が見える風景。その渾身の力で描いた木々は、「これは邪魔なんだよ!」の一言で、いとも簡単に白い絵の具で薄く塗りつぶされてしまった。相当にこたえた。
 でも、この作品は県で入選した。塗りつぶされた悔しさを忘れ無邪気に喜び、親は額に入れて飾ってくれた。ずっと後になって、先生が塗りつぶした理由に気づくのだけれど、もし入選していなかったら、先生のこと嫌いになってたかも?絵はどうかな?
 色の表現といっても、これは再現へのこだわりの話だけど、「色」は文字通り形がないから、より抽象的で、感覚的で、言葉で説明するのはとっても難しい。
ホントに色は十人十色!
そして指導も十人十色!

2006年5月

美術の教室80


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