新しい絵の会の機関誌
「美術の教室」


87号表紙


B5版 115ページ

カラー2ページ、図版多数、付録CD-ROMつき

年2回 5月、11月発行

購読料 2,000円(年2冊)

郵送料 160円(2冊)

絵の会の総力をあげて編集している美術の教室。本誌があれば、美術教育の今日的課題や実践が読者の手元にとどけられます。





美術の教室87  2009年11月 新しい絵の会編集

目次

とびらのことば




美術の教室87
目次

        

87号の特集

◎特集「表現者を育む美術教育を」新しい絵の会50周年記念号

とぴらのことば …………………………中谷 隆夫(新しい絵の会常任・編集委員) ……5
■50周年企画
● 巻頭論文「表現者を育む美術教育を」 …………………………中谷 隆夫(新しい絵の会常任・編集委員) ……6
●「新しい絵の会」50周年によせて

*生活の感動を「描く・綴る」、それを読みあう共感

…………………………村山 士郎(日本作文の会:大東文化大学) ……14
*美術教育と外国語教育の接点を考える一自己表現の重要性− …………………瀧口 優(新英語教育研究会:白梅学園短期大学) ……18
*数学の授業を通して「表現」を考える ……増島 高敬(数学教育協議会:埼玉自由の森学園非常勤講師) ……23
●「美術の教室」の歩み ……………………………………潮田政幸(新しい絵の会事務局) ……28
■第50回全国研究大会報告
●「全国研究大会のまとめ」 ……………………………………………………横山 裕(事務局) ……32
●基調提案(作品で語る)・ふたたび
 「子どもたちの内面世界をはぐくむ豊かな絵の世界を」
…………………………………………小菅盛平(和光鶴川小学校)
……34
●記念講演「創る喜び〜人として育つ」 ……………………………………………………舟越 桂(彫刻家)
……40
●分科会実践報告から
*「描きたくなる生活の中で」−5歳児1学期の作品− ………………………………………………藤田尚子(和光幼稚園) ……48
*「豊かに学び、ぐんぐん成長する子ども達」 ……………………柴田美千代(東京都町田市立忠生第一小学校) ……54
*「図工って 大好き 〜様々な試み〜」 ………………………………………………大島早苗(横浜絵の会) ……61
*「子どもから生まれた題材」 ………………………………………新津 栄(足立区平野小学校) …67
*「私の好きな物から自画像へ」〜写実表現から自己表現へ〜 ………………………………松村理恵(さいたま市立常磐中学校) ……73
*「『いやだよ、しない!』から『ぼく、するよ!』へ」 ………………………………………潮田政幸(千葉市中学校教諭) ……79
●『若者へのメッセージ』第50回大会記念レセプションからの報告 …………………・レセプション担当・薮内 好(千葉大非常勤講師) ……85
■新美術館訪問
 奥多摩町立せせらぎの里美術館
      一稜線の風の如く 犬塚勉 を見る一
…………………………………………………江渡英之(和光大学)
……88
■投稿論文
「『子どもの発達』をどう捉え、芸術(美)的な発達を促すのか」
……………………………………薮内 好(千葉大学非常勤講師) ……92
■冬季研・(春季研・全国大会)案内・ ………………………………………………………………………… ……97
■付録CD ………………………………………………………………………… …100
■事務局通信

あとがき


とびらのことば

新しい50年に向けて

中谷 隆夫(新しい絵の会常任・編集委員)

 50年前、新しい絵の会の草創の頃はまだ封建的な生活が残っていて、それを批判的に描くことで新しい民主主義を求めたのが「生活画」でした。
 思いや感じたこと、見ていることを描くことは、脳裏にあることをアウトプットするだけでなく、措いた像と対話し、像を鮮明にし認識を深める行為です。これは図工・美術だけでなく、文字や言葉、音楽や演劇、数式や実験など全教科にも必須の行為であり、人間発達の基礎・基本の行為です。「生活綴方」に学びながら、視覚的に直裁に生活を描いた「生活画」は燎原の火の如く全国に広がりました。身の回りのこと見つめ、経験したことを想いおこし、これを形や色を描くことは、子どもたちの自然な表現であり、今日の美術教育の根幹にあります。
 「生活画」の時代は、日本が近代へ発展した明治初期の激動期に比する変化が社会的背景にありました。いま、日本は明治や敗戦後の社会と同じくらい大きな社会の変革期にあると言われています。政治、文化、そしてそれを支える都会と農村も大きく変わりつつあります。
 社会の変革期には新しい文化、新しい芸術、新しい表現が生まれます。新しい時代を築こうとする人々の心意気を映し、躍動的なリアリティーのある芸術が生まれます。 
 「生活画」の時代がそうであったように、社会が大きく動いているいまは、この社会この時代にあった表現が生まれる可能性を秘めています。今日の子どもたちの生活の中から生まれる新しい「表現」の可能性が胎動しています。その昔に耳をすませ、聞きとり、拡大していくことが私たち絵の会にふさわしい仕事ではないでしょうか。
 PISAで日本の学力の質の問題が明らかになりました。しかし新指導要領では古い学力観から脱しきれないだけでなく、芸術教育の軽視、削減を進めました。図工・美術でも伝達能力、コミュニケーションカの大切さを言いながら「造形あそび」を教科の中心に置きました。押しよせる情報やとりまくIT器機に振りまわされることなく主体的な自我を育み、確かな感性を形成していく表現活動の重要性を主張しながら、新しい時代にあった、新しい美術の教科を追究していきましょう。
 日本作文の会   村山士郎氏
 新英語教育研究会 瀧口 優氏
 数学教育協議会  増島高教氏
から貴重な提言をいただきました。私たちが実践研究してきたことが、同じ土台に立っていることを知り、意を新たにしました。記してお礼申し上げます。

2009年11月

美術の教室87


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